小児矯正とは
お子様の歯並びの治療を行う分野を「小児矯正」と呼びます。当院の小児矯正は、単に歯並びを美しく整えるだけでなく、お子様のお口の筋肉や歯をより機能的に発達させることを目的に行っています。
歯並びに悪影響を及ぼす要因には、大きく分けて2つの要因があります。
まず、1つ目は、もともとの歯の大きさや、あごの骨のバランスが悪いことです。歯の大きさに対して、あごが小さければ、すべての歯がきれいに並びそろうことができません。
2つ目は、舌や唇を含めた筋肉の動かし方です。お口周りの筋肉は、日常生活の中における、口呼吸や食生活、姿勢などにも影響を受けます。特に、指しゃぶりや唇咬み、爪咬みなどの習癖は、歯列に強い力が加わり、歯並びを乱す原因となりかねません。
お子様の歯並びの治療を行う分野を「小児矯正」と呼びます。当院の小児矯正は、単に歯並びを美しく整えるだけでなく、お子様のお口の筋肉や歯をより機能的に発達させることを目的に行っています。
歯並びに悪影響を及ぼす要因には、大きく分けて2つの要因があります。
まず、1つ目は、もともとの歯の大きさや、あごの骨のバランスが悪いことです。歯の大きさに対して、あごが小さければ、すべての歯がきれいに並びそろうことができません。
2つ目は、舌や唇を含めた筋肉の動かし方です。お口周りの筋肉は、日常生活の中における、口呼吸や食生活、姿勢などにも影響を受けます。特に、指しゃぶりや唇咬み、爪咬みなどの習癖は、歯列に強い力が加わり、歯並びを乱す原因となりかねません。
小児矯正のメリット
お子様ご自身の成長する力を利用する小児矯正には、様々なメリットがあります。
merit
1
歯の移動がスムーズ
子供の場合には、あごの骨が成長途中であることから、成長が完了した大人と比べて、無理な力をかけることなく、歯の移動がスムーズに起こりやすいと言えます。歯を移動するだけでなく、あごの発達を促進しながら行うため、より自然に歯が並ぶスペースを確保できることも特徴の1つです。
merit
2
抜歯のリスクを低下
大人の場合、成長が完了しているため、歯が並ぶあごの成長を促進することができません。小児矯正であれば、歯が並ぶスペースが不足することが予測されれば、適切な器具により、あごの成長を促し、上下のあごの大きさや位置のバランスを調整することができます。結果、歯が並ぶスペースを十分に確保することにつながり、抜歯をすることなく全ての天然歯をきれいに並べることができるようになります。
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3
コンプレックスの解消
歯並びが悪いことは、お子様にとってご自身の外見へのコンプレックスにつながります。また、歯並びが悪いことで、発音に影響を生じ、滑舌が悪い印象を与えてしまうことがあります。外見のコンプレックスや、コミュニケーションの不安は、お子様にとって精神的にマイナスに作用してしまうこともあるようです。小児矯正により、美しく機能的な歯並びを獲得することは、お子様の対人関係においてもよい影響を及ぼすはずです。
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4
後戻りがおこりにくい
歯列矯正では、歯列に力を加えて移動していきます。その場合、歯列は元の位置に戻ろうとする“後戻り”という現象が起こりやすく、治療完了後に注意が必要です。小児矯正では、歯を支えるあごの骨を成長と、歯の移動が同時に起こるため、大人の歯列矯正と比べて、後戻りが起こりにくいこともメリットの1つです。
小児矯正はいつから始めるの?
小児矯正は、一般的に小学校入学前後から行われることが多いです。この時期は、乳歯列期から、徐々に永久歯へと生え変わる混合歯列期と呼ばれる時期です。将来的に、すべての永久歯が並ぶ十分なスペースを確保できているか、という点を重視し、必要があれば、骨格的な成長を促しながら歯をきれいに並べていきます。
もしも、乳歯列期の時点で、将来的な歯並びの不正が予測される場合や、悪習癖がある場合には、より早い段階で取り外し可能な装置の装着など、お子様の協力を得られる範囲で治療を開始する場合もあります。
反対に、歯の生え変わりの時期(混合歯列期)において、すでにあごの成長が完了に近づいている時期であれば、すぐに治療を開始せずに、永久歯列に生え変わってから治療を開始する場合もございます。
小児矯正を開始するのに適した時期というのは、あくまでも一般的な目安であり、お子様のお口の発達には個人差があるため、適した時期はそれぞれ異なります。もう永久歯にほとんど生え変わってきたから、小児矯正を始める時期を逸してしまったと後悔する必要はありません。
小児歯科矯正は、お子様ご自身の成長する力を利用するため、見た目だけでなく、あごを含めた骨格的なバランスを整えて理想的な歯並びへと導くメリットの多い治療です。お子様の歯並びにご不安な点がございましたら、気になった時点で、まずは歯科医師に相談することが大切です。
I期治療 Ⅱ期治療とは?
小児矯正は、大きく分けてⅠ期治療、Ⅱ期治療という2つのフェーズで構成されます。
Ⅰ期治療
対象の時期は、だいたい6~12歳の小学生の頃です。
前歯から歯の生え変わりが始まる次期で、身長と同様にあごの骨も、身体の大きさにあわせて、成長していく時期です。成長過程にあることから、あごの大きさや、上下の位置関係といったバランスを整えることで、永久歯がきれいに並ぶスペースを確保しやすいことが特徴です。
具体的には、床矯正やマウスピース、歯列矯正用咬合誘導装置といった取り外し可能な装置を装着し、成長する力を活用しながら歯が並ぶスペースを作っていきます。
また、爪咬みや、指しゃぶり、口呼吸、頬杖といった習癖は、口周りの筋肉の動きに力が加わり歯並びに悪影響を及ぼすため、Ⅰ期治療のうちに、意識的に習癖を除去していきます。
矯正の種類
Ⅰ期治療で使用する取り外し可能な装置には以下の種類があります。
矯正治療中のご注意
小児矯正は、開始時期が低年の場合、お子様の協力を得にくい場合があります。
特に取り外しが可能な装置の場合、装着を嫌がる、自分で勝手に取り外すといったことが予想されます。保護者の方は忍耐が必要ですが、治療を頑張っていることを褒めながら、ゆっくり装置に慣れていきましょう。はじめは強く拒否をするお子様でも、だんだんと、装着時の不快感が気にならなくなります。好きなおもちゃで遊んでいる時や、テレビを見ている時などがおすすめです。
また、矯正治療中は虫歯になりやすいため、念入りにブラッシングをしましょう。装置を入れたままでの飲食は避けることが原則です。
万が一、装置を破損した場合には、そのまま横着すると口腔内を傷つける可能性もあるため、お早めにご来院ください。装置を紛失してしまった場合にも、同様に早めの来院をお願いいたします。
小児矯正は、時間のかかる治療ですが、中断してしまうと、歯並びが悪化し、あごの成長に悪影響を及ぼすことがあります。学校の行事や、習い事など、通院が難しいこともあるかと思います。ご無理のない範囲で定期的な通院が可能なようにスケジュールを構成しますので、ご気軽にご相談ください。
トレーナー装置について
(口腔筋トレーニング)
歯並びは、口腔筋による影響を受けるため、唇や舌、頬の筋肉が正しく機能していない場合、歯並びに悪影響を及ぼします。
お口の筋肉は、嚥下や、発音、呼吸に関連するものですが、お子様によっては、舌の突出など不正な嚥下や口呼吸といった習慣がある場合があります。
トレーナー装置を装着することで、舌を正常な位置に置くこと、口を閉じて鼻呼吸をすることの習慣づけとなり、お口周りの筋肉を正常バランスよく機能させることができるようになります。
結果として、歯並びに悪影響を及ぼす要因を排除することにつながり、歯並びが改善する、または本格的な歯列矯正の治療期間の短縮に効果的です。
トレーナー装置の多くは、既製品であるため、お子様が苦手な歯型の採取もありません。また、色も豊富に展開されており、お子様ご自身が好きな色を選択し、治療を楽しく行うこともできます。
Ⅱ期治療(ワイヤー矯正)について
ブラケット矯正対象は、12歳前後の第2大臼歯が生えて永久歯が生えそろった時期から開始します。
治療内容は、大人の歯列矯正と同様に、歯面にブラケットと呼ばれるボタン状の装置を接着し、ワイヤーで結紮することで、歯列全体に力を加えて歯を移動していきます。
Ⅱ期治療の目的は、1期治療の歯を並べるための骨格的なスペースの確保と異なり、歯列に力を付与することで、目的の位置に歯の移動を促すことです。
Ⅰ期治療を経ることで、すべての永久歯が並ぶスペースが十分に確保されていれば、抜歯も不要となり、Ⅱ期治療においては、わずかな歯の捻じれや、位置の修正で治療期間も短く済むことが期待できます。大人の歯列矯正とほぼ同じ内容ですが、Ⅱ期治療の時期であれば、まだ成長過程であり、土台となる骨がやわらかいため、歯の移動がスムーズに起こりやすく、反対に歯の後戻りが起こりにくいというメリットがあります。